「虫歯が深くまで進んでいると言われた」「神経を抜くのは怖い…」
そんな方に知ってほしいのが 間接覆髄（かんせつふくずい） という治療法です。

間接覆髄は 虫歯が深い場合でも歯の神経をできるだけ残す ことを目的とした方法で、
歯を長く健康に保つうえでとても大切な治療です。

この記事では、歯科医でも使う専門用語をかみ砕いて、
一般の方にもわかりやすく 「間接覆髄とは何か」「メリット・デメリット」「治療の流れ」 を解説します。

間接覆髄（かんせつふくずい）とは？

虫歯が神経の近くまで進んでいるときに、神経を守るための治療法です。

虫歯を削るとき、
完全に取りきると神経が露出して「抜髄（神経を取る処置）」になる可能性が高い場合、
あえて一部の虫歯を残して薬でフタをし、神経を刺激から守るのが特徴です。

なぜ神経を残すことが大事なの？

歯の神経は 痛みを感じるだけではなく、歯に栄養を運び、強くする役割を持っています。

神経を抜くと…

• 歯がもろくなり、割れやすくなる

• 寿命が短くなる

• 将来的に抜歯リスクが高まる

そのため、歯科では “できるだけ神経を残す” という考え方が主流になっています。
間接覆髄は、この考えに沿った 歯を守るための治療です。

間接覆髄のメリット・デメリット

メリット

• 神経を残せる可能性が高い

• 治療後の痛みが少ない

• 歯の寿命が伸びる

• 治療期間が比較的短い

デメリット

• 深い虫歯では、まれに神経が痛みだす場合がある

• 必ずしも神経が残せるとは限らない（症状による）

• 経過観察が必要で、1回の処置で終わらないこともある

間接覆髄の治療の流れ

1. 虫歯の部分を慎重に削る
   → 神経が露出しないギリギリで止める

2. 残した部分に薬（覆髄材）を置く
   → 神経を刺激から守るため

3. 仮の詰め物でフタをして経過を見る
   → 数週間〜数ヶ月

4. 痛みがなければ最終的な詰め物・被せ物を作る

どんなときに間接覆髄が選ばれる？

• 深い虫歯だけど まだ神経がしっかりしている

• ズキズキした自発痛がない

• 冷たいものがしみても短時間でおさまる

• 歯が割れていない

逆に、
ズキズキした痛み・夜も眠れない痛みがある場合は、
神経を残せないこともあります。

間接覆髄でよくある質問

Q1. 痛い？

治療時は麻酔を使うため痛みはほぼありません。

Q2. 保険適用？

ほとんどの場合は 保険適用 です。（医院によって自費の場合もあり）

Q3. 子どもの虫歯でもできる？

できます。むしろ 子どもの歯（乳歯）は神経を残す価値が高いため、よく選ばれます。

まとめ｜間接覆髄は“歯を守る治療”

間接覆髄は、
「虫歯が深い＝すぐ神経を抜く」ではない
という現代の治療方針を象徴する方法です。

神経を残すことで、
歯の寿命は大きく伸び、将来的なトラブルも減ります。

「できるだけ歯を残したい」という方は、
ぜひ歯科医に 神経を残せる治療の選択肢 について相談してみてください。